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| 3.いちばにおける共存・共栄1--華人街コタの街から | ||||||
| 中華街(China town)というと皆さんはどういった街を思い浮かべるでしょうか。神戸や横浜の中華街でしょうか。残念ながら、いまからご紹介するコタの中華街、パンチョラン通り(Pancoran)とグロドック(Glodok)とは、他のアジアの都市によく見られる中華街と比べれば、もともとそれほど華やかな感じのものではありませんでした。スハルト政権下で中国系住民の政治的文化的自由が束縛され、例えば漢字の看板を掲げたり、旧正月をはでに祝うといったことができにくくなってしまったことの影響は大きいでしょう。それにも増して、98年5月の政変で起きた焼き討ち事件や略奪はコタの街の様相を大きく変えただけでなく、住民たちの心にも大きな傷跡を残すことになりました。いまからお見せする写真は、この1月に撮ったもので、無惨にも焼けこげたままいまだに放置されているビルなども写っています。ただ、全体に活気が少なく感じられるとしたら、私が訪れた時期がちょうどレバラン(Lebaran:イスラムの断食明けの大祭)と重なっていたことも大きく影響していると思います。中国人のなかにもイスラム教徒はいますし、マレー系の売り子が休暇をとってしまったら中国人の店主も店を開けられません。 |
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| さて、このパンチョラン通りというのは、私がジャカルタでももっとも好きな場所のひとつです。85年に初めての海外旅行で訪れたのがジャカルタ、そして初めて自分の足で回ったのがこの通りであったという個人的な事情もあるかもしれません。運河を挟んでハヤム・ウルック通りと平行してコタ駅方面に走っていたガジャマダ通りを駅の近くでちょっと斜めに入るとそこが中華街パンチョラン通りです。この中華街で扱われている商品としてまず目に付くのは、果物、駄菓子の類です。面白いのは、これらは通りの真ん中に続くテント(一部は実はアーケードになっています)で商われているということと、売り子にマレー人が多いということです。目を通りの左側に転じると衣料品の屋台がぎっしりと立ち並んでいるのが目に付きます。歩道部分に並ぶ屋台は、路上から見るとその向こう側の常設店舗がいったい何の店なのかわからなくなるほどぎっしりと商品を詰め込んでいます。この歩道部分を歩くとまるでトンネルのなかを歩いているようです。この屋台群も売り子はマレー系が多いでしょうか。そして常設店舗はといえば、漢方薬の店が目立ちます。ここの売り子は中国系です。客層は全体に中国系がめだちますが、マレー系の人も沢山います。客も売り子も乱れて様々なエスニックが行き交い、商人の呼び込みの声が勇ましい都会的な喧噪にあふれています。 さて、こうした街の特徴として、ひとつだけあげておくとすれば、それは「意外性」です。これにはふたつあって、ひとつは街の構造の意外性、もうひとつは商品の意外性です。前者はパンチョラン通りに限らず、アジアの都市の多くに見られることではあるでしょうが、店の入り口だと思っていたのが実は奥にいくつもテナントの入るショッピング・センターがあるといった具合に、人の意表をつく仕掛けのある街ということです。パンチョラン通りでも、いくつかそういうポイントがあります。 もうひとつは商品の意外性です。8月にこのパンチョラン通りを訪れたときには、路上でサソリ、蛇、カブトガニといった動物から作った怪しげな薬を売っていたのですが、ちゃんと生きた本物も陳列されているわけです。ちなみにこれらの動物の薬を複数扱っている人はいなくて、だいたい1点もの勝負でした。 残念なのは、今回行ったときはこれら1点勝負の売り子がいなくてサソリやカブトガニの写真をとれなかったことですが、トタンで覆われている空き地の入り口に人が出入りしているので、見張りらしき人に断って入ってみると仮設の賭博場でありました。遊んでいるのは中国系の人もマレー系の人もいましたが、5万ルピア札を握った中国系のおばちゃんが気を張っているのを見ていたら、つまみだされてしまい、これも写真はとれずじまいです。かわりに生きたカエルを売っていたおじさんが写真を撮ってくれといってきたので、それをお見せしましょう。 こうした空間の意外性にしろ、商品の意外性にしろ、計画的に作られたり集められたりしているとは、少なくとも表面上は考えにくいものがあります。もちろん、開口部がせまく奥が深い作りは建物の密集する都市では、よくある建築手法かもしれません。ただ、この場合は、むしろショッピング・センターなどの建造物は最初から存在していて、その周囲に屋台等が密集してセンターの存在が一見しただけではわからないものとなってしまった、と考えた方が無難でしょう。 写真は、パンチョラン通りとはガジャマダ、ハヤム・ウルックをはさんで向かい側のグロドックのショッピング・センターの上から撮ったものです。グロドックは日本で言えば秋葉原、インドネシア随一の電気商街です。3階ほどの高さの大きなショッピング・センターは細かいスペースに区切られていて、いろいろな種類の電化製品が扱われています。おもしろいのは、そのセンターの前で道にはみ出すようにテントが集まっていますが、こうしたところで扱われているのも、CDとかVCDとか、あるいはアンテナといった、やはり電気製品に関わりのあるものでした。 |
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